パン作りー焼いている時に起こる現象について

こんにちは。
手ごねパン教室ハピネスの紺谷英里です。
さて今回は、パン生地をオーブンに入れてから焼き上がるまでの生地の状態について分析してみました。
生地の温度が上昇していくにつれて、生地の中ではどのような現象が起きているのでしょうか。
早速、見ていきましょう!
温度による変化の過程と反応
余熱を入れたオーブンの中にパン生地を入れて焼き始めると、温度上昇とともにパン生地の状態が変化していきます。
パン生地中心の温度の変化による過程は、下記のような現象が起こります。
生地の流動化
生地が45℃になると、イーストが活性化し、大量の炭酸ガスが発生し始めます。
この時、パン生地が最も緩んだ状態になります。
窯伸び
生地の流動化が進んでいくと、「窯伸び」という現象が60℃に達成するまでに起き始めます。
「窯伸び」とは、炭酸ガスが生地全体を膨張させ、ボリューム感を増加させる現象のことを言います。
どのパンにも起こる現象ですが、食パンが一番分かりやすいと思います。
(写真参考:↑の部分)
膨らみが停止する
60℃に達すると、イーストが死滅するため活動が停止し、炭酸ガスの発生が止まります。
それと同時に、窯伸びが終了します。
気泡の凝固
75℃になると、たんぱく質の凝固が始まります。
パンの骨格を支えるために、気泡が固定されていきます。
メイラード反応
中心温度が85℃ぐらいになると、表面温度は150~160℃になります。
この時、生地の表面が褐色に変化し始めていきます。このような反応を、メイラード反応と言います。
クラムとクラストの形成
クラムとはパンの内側の白い部分、クラストとは焼き色のついた外皮部分のことを言いますが、95℃ぐらいからクラムとクラストの形成がされ始めます。
クラストはパンの外側を固め、クラムは内側からクラストを支え合うことで、パンの形を保っています。
まとめ
①パン生地中心温度の変化に伴い、生地の状態が変化していくことで、パンが作られる。
②「パン生地」~「パン」へ変化する過程の流れ・・・45℃生地の流動化 → ~60℃窯伸び → 60℃イーストの活動停止 → 75℃気泡の凝固 → 85℃メイラード反応 → 95℃~クラムとクラストの形成。

最後までご覧頂き、有難うございます。